世界遺産ハルシュタット、装飾された頭蓋骨のある部屋
7月23日の「世界ふしぎ発見」はオーストリア特集だったが、その中で世界遺産のハルシュタット(Hallstat)村が紹介されていた。少し前に私はウィーン葬儀博物館訪問記でこのユニークな博物館を紹介したが、その時、書こうかかくまいかと悩みつつ、文字数の関係で書かなかったのがこのハルシュタットの「骨の部屋」の事だ。
ハルシュタットは後ろを山、前を湖に挟まれた狭小な土地で、墓地の場所が限られており、拡張は望めない。そのため、通常、埋葬時には町の最古の墓の場所をを利用する。死亡者数のバランスが何かの理由で崩れると、埋葬時に前の遺体の腐敗が完了されておらず、掘り起こすと骨が出てくることがある。それを集めて安置しているのがBone House(骨の部屋)である。掘り起こされた骨は清められ、太陽と月光にされされて、白く漂白されたような状態になる。頭蓋骨は「墓所を花で飾るように」美しいペインティングが施され、また故人がどんな人物であったのか、名前や職業、没日などが記載されていることもある。現在1200以上の頭蓋骨が安置されており、内610に装飾が施されている。親族は隣り合わせて安置されているという。
ハルシュタット村のホームページのよると、この伝統は1720年から始まり、最新の頭蓋骨は1995年に安置された物だという。1983年に亡くなった女性の物で、本人のたっての希望でBone Houseでの安置となったものと言う。
頭蓋骨のうち一つはウィーンの葬儀博物館に安置されており、館長のケラー氏によると「必要とあればもちろんこれからも行いますよ」という事だった。
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