遺骨からダイヤモンドは本当にできるか(4):アルゴダンザは遺骨中の炭素成分を用いて合成ダイヤモンドの製作が可能かどうか
- 2011年05月31日
- 遺骨ダイヤモンド
「遺骨からダイヤモンドは本当にできるか」をテーマに4つの論点から説明をするシリーズの第4回目は「アルゴダンザは遺骨中の炭素成分を用いて合成ダイヤモンドの製作が可能かどうか」です。
アルゴダンザは2009年、スイスの公証人に、「私たちの製造工程をすべて公開するので、検証・観察し、遺骨からダイヤモンドを製造している事を証言して欲しい」とお願いしました。(日本の公証人制度の事実実験に当たります:下部参照)
公証人とは、中立的な存在であるだけでなく、公証人の書面による証言は「本当にそうであったこと」が裁判所でも真実と認められるほど大きな権限を持ちます。そういった意味で公証人の証言は、ご依頼者がご自身ですべてを観察するのと同等の信頼性のある証言です。
公証人は今回、ある御依頼者のご遺骨から炭素を抽出する段階から、結晶化、また出来た結晶を宝石鑑定士がダイヤモンドであると認定するまで、すべてを自身で立会いの下、検証・観察を行いました。結晶化など時間のかかる工程においては、機械に封印をし、立会いの下でなければ開封できないようにする等、万全な方法をとりました。
その結果、その製造方法には「間違いやごまかしは全くなく」確かにアルゴダンザが遺骨からダイヤモンドを製作した旨、公正証書にて証明をしたのです。私たちにとっては通常行っている事を行っただけではありますが、これをもって「遺骨からダイヤモンドが製造できるのか」の論議は終了されるものと信じており、又ひとつ皆様の信頼を獲得できるものと確信しております。
さて、4回にわたって説明してきました「遺骨からダイヤモンドは本当にできるか」、いかがだったでしょうか。やや、技術的な内容になりましたが、遺骨ダイヤモンドの真正性に関して少しでもご理解を深めて頂けたら幸いと思います。
A :公証人は、法律行為を対象とした売買等の契約のほか、五感の作用により直接見聞した事実を記載した「事実実験公正証書」を作成することができます。事実実験は、裁判所の検証に似たもので、その結果を記載した「事実実験公正証書」は、裁判所が作成する「検証調書」に似たものであり、証拠を保全する機能を有し、権利に関係のある多種多様な事実を対象とします。
例えば、(中略)キャンペーンセールの抽選が適正に行われたことを担保するため、抽選の実施状況を見聞する事実実験、土地の境界争いに関して現場の状況の確認・保存に関する事実実験、株主総会の議事進行状況に関する事実実験など様々なものがあります。事実実験をどのように実施し、どのような内容の公正証書を作成するかは、当該対象物により異なりますので、具体的には嘱託する公証人と事前に十分打合せをすることが必要です。
(中略)事実実験公正証書を作成しておけば、公正証書の原本は、公証役場に保存されるとともに、公務員である公証人によって作成された公文書として、裁判上真正に作成された文書と推定され、高度の証明力を有するので、証拠保全の効果が十分期待できるのです。
日本公証人連合会の事実実験に関する説明より
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