遺骨からダイヤモンドは本当にできるか(3):遺骨には他の炭素が混じっているか


「遺骨からダイヤモンドは本当にできるか」をテーマに4つの論点から説明をするシリーズの第3回目は「遺骨には他の炭素が混じっているか」です。

まず、なぜこれを説明したいかを説明させてください。時に「火葬後の残留物には、遺骨以外にその他の物質が燃えた後の炭素成分もあって、それが遺骨から来たものかわからない」と言う方がいらっしゃり、そして、多くのケースで、「遺灰」というのがそのお骨以外の物質の残留物という認識を持たれているようであるからなのです。

実際には、火葬後の残留物は、ほとんど全てが骨に由来するものですが、“可能性として”棺や、衣類、その他の物質が混入している可能性は否定できません。しかし、日本では旧来、火葬後の残留物全てを「遺骨」と認識しており、その由来に関して、「骨に由来する遺骨とその他のものに由来する残留物が混ざっている」という認識はありません。この点に関して(残留物の由来に関して)は欧米諸国でも違いはありません。
しかし、欧米諸国では火葬後の遺骨は遺族の元に返還される段階では粉砕されており、粉状になっています、これを英語ではahsesと呼び、その日本語訳として「遺灰」を当てています。ですから、第一に、「骨に由来するもの=遺骨、その他に由来するもの=遺灰」という認識ではないことをご理解ください。火葬後の残留物を日本では遺骨、と呼び、欧米諸国ではその形状から遺灰、と呼んでいるのです。
アルゴダンザでも創業当初はもともとの英語の資料の日本語訳として「遺灰」「遺灰ダイヤモンド」というような表現を使用していました。しかし、日本人にとって「遺灰」は分かりにくく、又、音的にも「位牌」と間違えやすいので、現在は「遺骨からダイヤモンド」を主に使用しています。資料等に「遺骨・遺灰」といった併記表記が見られるのは、当初「遺灰」と表記していた名残でもあり、またまれに、小さく砕けてしまった遺骨を遺灰と呼ぶ人が居るためです。
ごくまれに、細かくなった部分(実際には細かくなった焼骨がほとんど)には他のものが混ざっている可能性があることを気にする方がいらっしゃいますが、その場合ははっきりお骨と分かる部分だけで製作する事が可能です。

結論としては、(1)骨壺の中の物が100%ご遺体由来の物ではない可能性はあるが、ほとんどがそうである事、(2)他の物が燃えた残留物がごくわずか残っているかもしれない可能性は、ご遺族は気にしていない事、(3)気になる場合にははっきりお骨とわかる部分だけで製作が可能な事、このことから、アルゴダンザとしては特に問題とは考えてはいません。どう思われますでしょうか。

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